この町のこの人

Published:2019.02.19

お名前:MARさん  アパレル雑貨メーカー経営
    KUMIさん  主婦
一宮町人:2006年~
先住地:東京都江戸川区

移住のきっかけは?

MARさん:サーフィンですね。
高校生の頃から、ずっと勝浦方面で波乗りをしていました。プライベートチームも持ってるんですよ。

以前は東京都江戸川区に住んでいたのですが、移住してきたのは12年前です。都内でアパレル雑貨メーカーを経営しています。
精力的に仕事をこなしていく中で、「この先歳をとって、仕事を終えた後に何かをするんだったら、やっぱり波乗りしかないのかな。」と、考え始めたんです。
いつまでも海のそばで過ごせたらいいなぁ、って。それから、移住が頭に浮かんだんです。

 

東京から、一宮に。
遠距離に感じませんでしたか?

MARさん:仕事も今後続けていくし、サーフィンのポイントや通勤手段で考えたら、一宮町がこの最終地点なんですね。
特急や快速電車の便がいいことも、この地を身近に感じるきっかけになりました。

引っ越してきて6年7年近くは100%っていうくらい車で通っていました。波乗り道路(九十九里有料道路)が起点になっているためすぐ乗れて、そのまま千葉東金道路に抜けて、京葉道路に。そうやって通勤していました。
アクセスは良いと思います。空いてる時間帯なら1時間ぐらいで着いていましたよ。

 

移住について、奥様は?

KUMIさん:猛反対でした。
東京を離れたくなかったですし、知らない土地でもあったので。
当初は勝浦でボディボードをやっていましたが、勝浦に知っている人はいても一宮にはいませんでした。

MARさん:一ヶ月、口も聞かなくなるくらいでした。もう別居になっちゃうんじゃないかってくらい、心配になりました。
最後には、「家を建てるのは賛成。そうやって資産は残すものだから」と、言ってくれて。
「全部プラス思考で考えて、行動してみよう」という言葉をもらって、移住する準備を始めました。ダメならダメで、まだいくらでもやり直せる、住んでからでも戻ろうと思えば戻れる、というのもあったからだと思います。
当時は30代で、行動力が一番ある年代でもありました。30代、40代の前半は、資金的にも展望が立てられる歳でもあり色んな部分で考えて、決断するのなら今しかないんじゃないか、と。

 

ご自宅を建てて、感じたことは?

MARさん:土地が広くとれますよね。
同じ金額を出して家を建てるのなら、やっぱり広いに越したことはないです。「大は小を兼ねる」だと思います。

週末に東京から仲間が来ると、庭を見ながら「大きいですねー」って言うんですよ。この辺では大きくないんだって話をしても、「いいや。うちも、これだけ広かったらいいなぁ。犬を走らせられるし、色々できそう」と、羨ましがられます。
都内だと、一軒家なのに隣の家が近すぎるから気になってしまうんですよね。
一宮なら、そういうこともないです、本当に。

 

お友達はできましたか?

KUMIさん:できました!
「クーラーボックス貸して?」ってお願いできるような関係が築けています。

MARさん:腹を割って話せる友達が逆に増えたかもしれません。そんな親密さは、東京にいる時の方が少なかった気がします。

KUMIさん:サーフィンのグループメンバーの中で、結婚して、こちらに引っ越してきて家を持った、みたいな人もいるんですよ。

MARさん:そうそう、ここで知り合った友達は、遊びに来ていた私の妻の友達と出会って結婚しました。そのあと生まれた子どもが、今、東浪見小へ通ってるんですよ。

 

地元に早く馴染む秘訣は?

MARさん:自分から、思い切って入っていくことが大事だと思います。
自分から一歩踏み出していったからこそ、地元の方たちもこちらへ踏み込んできてくれたんだと思います。

毎日の夕食も、二人で帰ってきて「いただきます」って食べていたら、何も起きません。
でも、一歩踏み出して近所のお店へ外食に行けば、隣に座った人が「この前も会いましたよね」って声を掛けてくれるかもしれない。そうやって話しているうちに、地域へどんどん溶け込んでいけるんです。
知らない間に、ポンポンポンと、知り合った人達がつながって、一気にネットワークが広がっていきます。
地元に馴染むには、そんな努力が必要なのではないかと思います。

 

「ネットワーク、フットワーク、ヘッドワーク」という言葉を大事にされているそうですね。

MARさん:知り合いの社長さんが教えてくれた言葉なんです。
「ちゃんと頭で考えて付き合いなさい、ぞんざいにしていると嫌われるよ、ヘッドワークだよ。
その次は、あちらこちらに顔を出してフットワークを使ってごらん。
そうするとわかってくることが、きっとあるはずだから」と。
ヘッドワークを実践して、次にフットワークを良くしてみたら、知り合いが増えてきました。
そのうちに、「洋服関係の仕事なんだって?東京に通ってるなら…」と、ちょっとした頼まれごともされるようにもなりました。「いいですよ」って手配してあげると、お礼にお米やトマトをいただくようになって。

KUMIさん:以前から一宮町に住んでいる大先輩が、茹で落花生を持ってきてくれたこともありました。

MARさん:そうやって、地元にネットワークが広がっていくことに気付けた、素晴らしい言葉だと思っています。

 

移住を考えている方へ、メッセージをお願いします。

MARさん:悩んでいる方がいらっしゃるなら、きっと、年齢も仕事もしっかりされていて、深く考えている方だと思うんです。
まず、一歩踏み出してみた方がいいんじゃないのかな、と思います。

サーフィンだって、海に入らなければ始められません。移住も同じで、やってみないとわからないことが、たくさんあります。
なので、考えただけで辞めてしまうのではなく、まずは行動してみることが大切だと思います。行動してみてから自分が予想していたことと違うことに気付いても、大丈夫です。まだまだ充分にUターンがききますから。

僕らは一歩踏み出せたことで、たくさんのハッピーに気付けました。
振り返ってみると、一宮に移住してからの12年はあっという間でした。
それだけ楽しい時間だったんだな、と感じています。