この町のこの人

Published:2011.11.30

お名前:藤井 幸恵さん 40才  主婦・パート
ご家族:義母68才、御主人44才、
長女・小学4年生、長男・小学2年生、次女・1才
一宮町人:2006年~  先住地:埼玉県和光市

移住されるまでの経緯は?

結婚してから7年ほど埼玉県和光市内の購入マンションに住んでいました。子育て世代が多くて長屋みたいですごく楽しかったです。

その当時、主人の母は川越にいて別々に住んでいましたが、こちらに引っ越すのを機に同居、といいますか同居を機に引っ越したといいますか。一緒に住むに当たっては、ある程度の家の広さと主人の通勤がとりあえずの条件でした。もし同じ金額で埼玉で土地を買って家を建てるとなると本当にうさぎ小屋のような、もしくは本当に不便で、交通の便も悪い所になってしまいます。でも、一宮町だったら東京駅まで1時間で行けて(特急)、都内までの通勤も出来ちゃう。なおかつ広い家に住めちゃう。同居するなら広い方がいいですしね。

 

一宮に決めた理由は?

一番の目的は主人のサーフィンです。地縁血縁は全くなかったです。以前から主人は、金曜日の夜、仕事が終って深夜に出て土曜日の朝方から海に入って土曜の夕方家に帰って来るというのを毎週続けていて。月に4回も休みがそれでつぶれてしまう。寒い時も暑い時も必ず年間通してきてましたから。基本的には主人一人で。私や子どももたまに一緒に来ることもありましたけど、見てるだけで何もすることないですものね。

 

子育てサークルをはじめたのは?

以前住んでいた和光市は、財政的に余裕があって、子育て支援が進んでいました。マンションがぼんぼん建って若い子育て世代がわっと入ってきました。公的なサービスもあれば、ママ達が自主的に起こしているサービスもあって、私もすごくそれで助けられましたが、それをずっと”こんな風に人のために出来てすごいな”と見ている側だったのです。

 

町のこれまでの子育ての環境は?

普通ですと行政主体の何歳児から何歳児対象のサークルでだんだん顔見知りになっていったりするのですが、こちらだと子育てが一段落するとあとは保育所に入れて働きに出ちゃうとか。保育所にすぐに入れられる体制があるから、いい環境といえばいい環境なのかもしれませんが、その分ママ同士の結びつきが弱いような感じがします。それに核家族で越してきた人からすると、フルタイムで働くには今の保育時間では短いし、かといって保育所に入らないと子どもの友達がいなくなってしまう。

 

こっちに来たら少しは恩返しではありませんが、私があの時子育てでとても辛かったので、そういうママがいたら何かできることないかなと思っていたら、一宮には子育てサークルがなかったのです。
ママ達がどこにいるかも分からない、どこの病院がいいとか、みんなどこで遊んでいるのか、ここの保育所はこんな感じだよとか、できれば口コミで教えて欲しい。紙で病院や保育所の一覧表はありますけど評判は書いてない。私の場合はたまたま運良く友達ができたので。でも、友達がまだ出来なくてどこでどうやって、と探しあぐねているママがいらっしゃると思うのです。

ママライフというその時にしかない貴重な時間を楽しめなかった。それをすごく悔いてます。「今だけだよ!」ってほんとみんなに言いたいのです。ちゃんとできなくてもいいじゃない、もっとダメでもいいじゃない、一生懸命まじめにならなくてもいいじゃないって。「138子育てネットワーク」*は私みたいなダメなママの視点から出来ているのです。

 

でも、こちらに越してきたら朝2時間海入って、あとは全部家族のために使えるのと、今までは海までの交通費を自分で払って来てましたけど、こっちでは通勤の交通費は会社が負担してくれます。それはいいということで。

 

町には幼稚園がないので保育所に入れてもらっています。以前、幼稚園に居たからよく分かるのですが、幼稚園並のカリキュラムを保育所でやってくれているのです。幼稚園は保護者ありきで行事の度にお手伝いするのが当たり前なのですが、保育所は発表会の衣装とかも先生方に頼りっぱなしです。片やお母さんからすると「もう手がかかるから入れちゃえ」と割と安易に入れてしまっているのかもしれません。

 

子育てサークルはどんな活動を?

最初は内輪で遊んでいたのですけれども、人数もだんだん多くなって、家の中に30人とか、クリスマスパーティをやった時は40人位でしたね。実際お話を聞いてみたら「お友達の家に来るのはじめて」って子がいたり、こんなクリスマス会をみんなでやったことなかったとか。びっくりしました。(・O・;
でも、これはもう児童館状態ですよね。そろそろ考えなくてはと思ってはいたのですが、中央公民館はお金がかかるし当時は飲食も不可で。地区の集会所は無料で飲食もOKでしたが、その地区の人しか使えない。どこで集えばいいのだろうと、場所も無かったのです。

 

住んでみた感想はいかがですか?

自然が想像以上に豊かで、ちょっと入れば冒険できるところがいっぱいあるし、近所の路地だけでも楽しいですよね。スケボーを道路でやってみたり。ウチは焚火もしますし、そんなの都会では考えられない。「ママ今日焚火しようぜ」って小学4年生が焼き芋やりながら火にあたって「今日学校でこうだった」とか、そんな話をゆっくりできるというのは贅沢ですよね。それが許される環境がまだ残っています。子ども達には泥んこになって遊ぶ経験をいっぱいして欲しいし、海もあるし、ちょっと行けば山もあるし、いこいの森で遊んだり、川もあるし、ほんとになんでもあるなぁ。

 

でも、ちょっとそれは保護者としては考えてみないといけないと思うのです。せっかく今しかない時間を、せめて年少さん、3才までは入れる必要のない方や、在宅で見られる方は見ていただいてそのための受け皿を用意してあげたら、みんな闇雲に保育所に入れなくてもよくなるのではないかと、子育てサークルをやっていて感じるところですね。

 

今後の活動は?

他の団体や活動とも横のつながりが出来てきました。お母さん達にとっては憩いの場になっているコミュニティカフェ「子育て茶屋」さんとか、「さくらんぼ」さんがあるので、一緒に出来ることは連携して。

いずれ私がママじゃなくなった時には次の世代の人が受け継いでくれるかな。その今は土壌作り、耕してる感じですね。あとは種を蒔いてそれがいつの日か実ってくれれば。誰か任せ、人任せで文句を言うのじゃなくて自分達で動きましょうという人が一人でも増えてくれれば。子どもがそういう親を見て育ってほしい。

まだ下の子が1才なのであと10年位は当事者として子どもとべったりつきあいたいですね。子どもが「もういやっ!」て言うくらい(^_^;。

 

今一宮町では子どもの数が増えていますよね。それはすごく追い風になってて、子育てサークルも去年7組からはじまって今年は28組になりました。まだ知らない人にもこういう活動があるよって知ってもらいたいと思い、「138子育てネットワーク」*として町づくり推進団体に加わり町民提案事業として活動をはじめて3年になります。やっている事業は、在宅育児支援、交流事業という位置づけで「わいわいカフェ」、子どもの遊び場作りとしてのプレイパークという3本の柱があって、サークル部門はお母さんたちが自主的にがんがんやっていって欲しいですね。

 

お祭りや地曳き網があったり、自然が豊かで、庭で畑作って野菜育てて。エンゲル係数すごく低くなりましたよ\(^O^)/。いただきものも多いですし。ありがたいですね。庭で採れた野菜や、春になるとタケノコが来たり、秋は柿とか。そういうことを子ども達にも知ってもらいたい。マンション住まいの頃もそういうやり取りは多少あったのですが、隣近所に誰が住んでるか分からないというのもありましたから。防犯上みんな知ってるというのがこの上ない防犯ですよね。ウチの子が一人で歩いていてもみんな知ってれば安心ですよね。ほんと一宮っていう町で良かったねって話してるのですよ。

 

移住を考えている方に

ウチに遊びに来たお友達は「いいないいな」って。で、ほんとに越して来てしまった人もいるくらいですから。
普通に家でバーベキューできたり、お友達を呼んで泊っていけるお部屋があったり、そういう豊かな住環境。海が近いからお魚もおいしいですし、お野菜も自分達で作ろうと思えば作れるし、新鮮なものをお安く買えますし。子どもにとってはのびのびと育っていける環境なので、子育て世代の方が増えてくれるのは同世代としてうれしいです。

ご年配の方で第2の人生をこちらでという方には病院とあとは運転できなくなった時どうするのか、それを町がもうちょっと取り組んでいただいて、そしたらずっと住める場所だと思います。

私は大好きな町です。ほどよく、ちょうどよく。ほどほど感がいいです。

 

文句ばかり言うのはかっこ悪いから。子どもにそういうのは見せたくなくて。だったら自分で出来ることからはじめようと。みんながそう思ってくれて自分達で自主的に動くようになるともっと素敵だな、と思う。
今、町に児童館がないですけど、児童館作って下さいと町に言うより、自分達で遊んじゃって”なんちゃって児童館”をやってる方が早いし、それで子ども達が楽しいのであれば、箱(施設)は何でもいい。要は子どもの目がキラキラしてればいいので。子育ては待ったなしですから、いつになるか分からないものを待っていても、その時期を逃してしまうだけですからね。

 

一宮町が一宮町として自立自営の道を選んだのなら、私も町民の一人としてその行く末を見届けないと、子ども達に対して責任がある。子ども達のふるさととして親である私がこの町を選んだのですから。「あなたのふるさとはどこ?」って聞かれたら胸を張って「一宮です!」って言えるようにしないといけないなっていう想いが常にあります。「一宮ってすげえいいとこなんだよ」「俺はこの町が大好きなんだよ」っていうようになって欲しいのです。

 

*「138(いちのみや)子育てネットワーク」は、子育てをもっと楽しく、もっとみんな(地域)で関わり、つながりを持てる様に、子育て当事者と共に情報を共有、発信し、子どもを中心とした交流(ネットワーク)の輪を広げていくことを目的に活動しているグループです。町づくり推進団体にも登録し、町民提案事業として在宅育児支援の「あずかりアイ♥スマイルタウン」を実施。あんよ前のお子さんを対象とした『たまひよ組』、2-3歳の未就学児対象のTOY―BOX、子育て中のママ・パパ・こどもの交流の場「わいわいカフェ」などを実施し、お子さん、ママの友達作りの場となっています。一宮で子育てを楽しみたい!新米ママからベテランママ、子育てに関わる全ての方が対象で会員募集中です!

活動の予定や詳細は
138子育てネットワーク ブログ:http://138knet.web.fc2.com/index.html
138子育てネットワーク フェイスブック:https://www.facebook.com/138knet
[ お問合せ・入会申し込み ]   mail: 138knet@gmail.com

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