Published:2011.11.08
お名前:利根川 太一さん 40代 自家焙煎コーヒー豆屋経営
利根川 早苗さん 40代 主婦・フラサークル主宰
ご家族:峻一くん(小6)・犬2匹・猫1匹
一宮町人:2007年~
先住地:埼玉県さいたま市浦和区
一宮町の他に検討した移住候補地は?
太一さん:以前土地開発に関係する仕事に携わってきたので、様々な別荘地などを見ていました。
内房や軽井沢、那須など。伊豆の方は山で坂が多く、雨も多くて寒いと凍ることもある。小豆島や山口県の方はとてもいいところでしたが、突然全然知らないところに移住するには、よほど資金的にも余裕がないとね。
いつかは「もっと田舎に」とか「ハワイ、オーストラリア」もあるかもしれない。でも子どもが小さい時に突然というのは現実的ではなく、商売もしなくてはいけない。そうすると東京からいきなり離れるわけにもいかないですよね。
具体的に絞り込みを行ったのですね
太一さん: 埼玉県の人はやっぱり海に憧れるのですかね。海のそばの田舎暮らし、という理想があってずっと考えていました。
僕は埼玉の浦和で、妻は江東区生まれの浦安育ち。海水浴というと九十九里でしたので以前からこの辺りには来ていましたので。自然という面では館山や千倉はキャンプ場にもよく行ったり良かったのですが、やはりちょっと遠かったですね。
最も考慮したことは?
太一さん: 一番考えたのは子どものことでした。こちらに来た時は小学校2年生だったので。いろいろ見てみて人数も多くしっかりしてそうなのは、一宮小学校だったのです。
お店の経営に関してはいかがでしょう?
太一さん:脱サラして浦和でコーヒー豆の自家焙煎と卸・小売り販売をはじめたのが2002年。
それから5年ほどやっていたので固定客さんや卸先さんがそこそこあったので、少し減ってもこれまで通り発送していればなんとかなるかな、くらいであまり心配しなかったですね。
他にも決め手はありましたか?
一宮には特急も停まりますからね。それで何度か具体的に通うようになって、白子から御宿の手前くらいまでいろいろ見て回りました。あとは、移住者が多いことかな。
ここに来た時のこの(前が田んぼで)開けている感じと、茂原に近い、あとは温泉が好きなので白子の温泉にすぐ行けるなぁというのが重なって。あとは商売があるから角地で2項道路というのがないとプライベート空間と同じになってしまうので。それからはとんとん拍子で進みました。
移住してからの経営はいかがですか?
太一さん:でもいざ、こちらに来てみるとコーヒーや嗜好品に関する意識は違いますよね。
それと商圏の感覚が違いますね。こちらの人の感覚では20~30キロの商圏というのが普通ですから。みなさん千葉市とか平気でさっと行っちゃう。
お客様も東金や大網、御宿辺りからこれだけのために来てくださるのは田舎の良さなのかな。
そういうのを求めている人は意外といるのだなと、ここ3年程やってよく分かりましたね。
ウチは宣伝もしてないし、口コミというか、あとネットですよね(パソコンの回線が光になったのがやっと去年[2010年]ですがね)。「気になってた」「ちょっと通りかかったらコーヒー豆っていう看板があったから寄ってみた」とか、そういうのはうれしいですよね。
お子さんの教育環境などは?
太一さん:意外に子どもが多いので小さい子どもがいてもそれほど不便ではないですよ。
田舎にいた方がより人間性とか、コミュニケーションというのがあるような気がしますよね。まだアナログな部分も残ってますから。
通学は子どもの足で50分位ですか。朝7時頃出て行きますよ。慣れれば足腰強くなっていいのでは。山有り谷有りじゃないからそんなに大変じゃないですよ。
それに子どもの学習塾も英会話の塾もあります。あるいは行こうと思えば茂原になんでもありますから。
一宮での経営について
太一さん:ここで固定客もなくいきなり商売を始めるのはむずかしいと思います。
自分のうちの敷地内でちょこっとやる、ウチのような、趣味を活かした特長のあるものは田舎ではとってもいいと思います。表通りからちょっと入ったところとか。趣味を活かす時間は田舎に来るといっぱいありますから。
田舎の良さは?
太一さん:一番いいのは新鮮な野菜が手軽に手に入ること。とにかくいっぱいもらうので、それはもうありがたいことですね。
田舎での生活はいかが?
早苗さん:もともと田舎暮らしに興味がありました。でも、ほんとは60才くらいになってからと思っていたのですが、主人が商売していることもあって体の動くうちに行こうといわれて、30代でこちらに来ることに。
大地からもらうエネルギーをより実感できます。季節を感じられます。
田植えの頃になると”あーこれから夏が来るのだな” とか、青々とした稲を見ているだけでパワーが湧いてきます。
季節毎の旬のお野菜もその日採れたてのものが食べられたり、空気もおいしい。
田舎で暮らす人達の元気はこういうところからもきているのだな、と実感します。
住み心地はいかがですか?
早苗さん: 一宮はちょっとハワイに似た雰囲気がありますよね。
なぜか時間の流れが違いますね。前はいつも時間に追われていた感じですけど、こっちにきてからあまり時計を見なくなりましたね。
海や里山、自然からもらう元気が自分のエネルギーの源になっていると思います。
いろいろやりたいことがいっぱいあって忙しいですが、充実してます。田舎に住んでしまうともう都会に住みたいとは思わないですね。住むのはやっぱりこういう自然豊かな場所がいいなと思います。住み心地もいいですよ。
移住を考えている方にひとこと
太一さん:いきなり土地を買ったり投資するのが難しい人は、体験で少し借りて週末だけ遊びに来て散策しながら見て、という探し方も面白いかなと思います。
一宮辺りは賃貸物件も多いし、その土地の良さ、利便性、人の良さとかを体験してみる。ここを拠点に考えていくというのも房総の真ん中だからできるよね。移住者も多いので、いろんな意見も聞けるし。
それと一つ思うのは、50~60才でリタイヤしていきなり田舎に来ても大変ですよ。
雑草を刈るにも、ゴミを出すのも意外に体力を使いますからね。雨風も都心と違って強いし。
その気持ちがあるのなら早いうちに来た方が。要は考え方次第だと思います。
田舎ならではの楽しみは?
早苗さん:都会ではなかなか出来なかった田舎ならではの楽しみがいろいろありますね。
地のものでお料理して誰かのお宅に集まってお庭で持ち寄りパーティとか。散歩しながらお花を摘んだり。春になると野草を採りに行ったり、楽しみが沢山ありますね。お料理好きな人にはもってこいですね。新鮮な野菜と海の幸がありますから。
それと週に1度の温泉。一宮は白子温泉も近く10分位で温泉に入れるというのは魅力的です。
■自家焙煎珈琲豆屋 ToNeGaWa COFFEE 一宮町新地字浜通甲1921-10 TEL&FAX 0475-42-3511 http://www.beans-shop.com/index.html
トネガワコーヒーは、世界中の優良農園さんとパートナーシップを結び、その時期の、産地の個性豊かな旬のコーヒー豆を丁寧に直火焙煎するスペシャルティコーヒー豆専門店です。2002年、浦和で開業し、2007年ここ一宮町に移転しました。味にこだわる喫茶店や料理店、コーヒー通に多くの固定客をもつ、田んぼの中のカワイイ珈琲豆屋さんです。