この町のこの人

Published:2018.03.19

お名前:市橋孝二さん  67才
    市橋訓子さん  64才
一宮町人:2017年~
先住地:東京都豊島区

現在、東京と一宮の2拠点生活ということですが。

65才で会社を退職した後、これからの人生をどうやって楽しく暮らしていこうかと考えたとき、周りにはなにもなかったんですよ。東京の街なかでは、私が入り込んで楽しめるコミュニティが見つけられなかったんですね。で、もっと遠くの田舎へ移り住むことも考えたんですが、当時私は会社の顧問をやっていて、女房もつい最近までパートタイムで働いていたので東京からそう離れるわけにもいかなかったんです。
だから退職して始めの一年はスポーツジムに通って時間を潰したりしながら過ごしていました。でも東京のジムでひとり黙々と身体を鍛えていてもそんなに楽しいものじゃない。周りの方と仲良くなって遊びに行こうという雰囲気でもなかったですし。
そんなときに知り合いから一宮を紹介されまして。東京から電車1本で来ることができて、すぐ近くにゴルフ場も多いこの町をとても気に入ってまずは私だけ越してきたというわけです。

 

ゴルフがお好きなんですね。

ゴルフがしたくてこの町へ来たと言ってもいいくらいです。しかしこれほどゴルフ場がたくさんあるとは思いませんでした。車で1時間走れば50くらいのゴルフ場は軽く見つけられる。
東京でゴルフといったら朝暗いうちから家を出て、夜も暗くなってから帰ってくるというほど時間がかかるものなんです。それがここでは8時30分に家を出て間に合う。会社に行くより遅いじゃないですかと (笑)。帰りだって夕方明るい内に家に着くんですよ。ゴルファーから見れば天国ですね。

それに今、この家はほぼ合宿所のような感覚なんです。ゴルフや会社の仲間が集って、賑やかに楽しくやってます。いろんな人が楽しい時間を過ごせる拠点になっていて、そのことが私自身の生きがいにもなっているんですよ。

 

ゴルフのお仲間も近隣に?

そうなんですよ。私にとって予想以上のいい出来事でした。私と同じように会社をリタイヤしてから移住してきた方もたくさんいらっしゃるんですよ。そうした方が毎月集まるゴルフのコミュニティがあって、私もそこへすんなり入れたのがラッキーでしたね。3つほどのゴルフコミュニティを掛け持ちしながら楽しんでいます。でも、あまりにもゴルフ三昧だと体力もお金も大変なので嬉しい誤算といったところですね(笑)。

元ビジネスマンの方が多いので話が合うんでしょうね。それぞれのコミュニティには意外とすんなり受け入れてもらえて、私も自分らしく過ごせているというのは感じます。

 

ご家族はどうおっしゃっているんでしょうか。

ちょうど先日の夏休みに、娘2人と孫が4人、遊びにきたんですけど、みんなとても喜んでくれたと思います。そのときの娘2人の言葉で印象的だったのが「私たちも子供の頃に来たかったね」というものでした。

庭でも家の中でも走り回る孫たちは「楽しい」という気持ちでいっぱいなんでしょう。都会のマンションだと下の住人の方もいるので走れないですもんね。夏休みの間、自宅ではずっと風邪気味だった孫もここにきたらケロリと元気になってしまったようです(笑)。海で遊んだりその辺で走り回れるというのも、都内にはない環境ですから、ここに来たことで気持ちにも身体にもいい変化があったんでしょうね。

 

一宮で好きな場所は?

生まれが兵庫なので今この住まいから見えているような、自然の木々が多い景色はある意味見慣れていたりします。でも実家の周りには海がなかったんですね。なので歩いてすぐの高台から見える海の景色が特にお気に入りです。それにそこまで続く小路が桜並木になっているんで、春になるとすごくキレイで。あんなに絵になる桜はなかなかお目にかかれないんじゃないでしょうか。

ちょくちょくですが自転車で海まで散歩に行ったりもしますね。サーフィンしてる若い人たちの中には本格的にやり込んでいる人もいれば、ゆったりプカプカと浮いているような人もいて、自由な感じがしていいですね。あれだったらそのうち自分でもやってみたいです(笑)。

 

一宮に来てから日課が増えたのでは?

実はこのところ料理に凝ってるんですよ。毎日作っているのでレパートリーもどんどん増えているんですが最近のお気に入りは鶏の胸肉と茄子の炒め物ですかね。麻婆茄子風に味付けしてみると、これが酒のつまみに最高なんです(笑)。

あと、料理に使う野菜はだいたい家庭菜園で作っているんです。茄子やトマト、他にもいろいろと作ってまして。野菜は、うまく作れるかどうかは別として土に植えたらなんとかできてくれるんですね。ここ数ヶ月、野菜作りをしてわかったことがいっぱいあるので、来年はもっといい野菜ができるだろうと楽しみにしています。
そんな毎日ですからやることはいっぱいありますね。

 

一宮に来て、ご自身に変化は?

まず、機嫌が悪くなるようなことが全然なくなりましたね。在職中は人と人とのつながりが一番大事で、悩ましいことはたくさんありました。
特に上の方の役どころになってくると、モノを売ることよりも人と人との関係をどう作っていくかが毎日の主題でしたから。立場上怒りっぽくなることも多々あったと思います。
それがここに来たら本当に別世界なんですよ。こののんびりした環境の中で、逆に他の皆さんはよく仕事ができるなと(笑)。

ときどき東京へ戻ると、一番気になるのは服装ですね。自分が仕事をしていた頃、今の時期ならどんなものを着ていたかなと。当時はやっぱりスーツですよね。それが都内で電車に乗ったら、今はみんなクールビズで半袖なんだなとか。極端な話、一宮にいたら寒くない限りどこへ行こうが短パンTシャツで許してくれる。その感覚がいいですね。もし他の場所へ移住していたとしても、こんなに早く地元に溶け込んでいけたかというと、ちょっと分からないですね。
移住してきた人間を普通に迎え入れてくれる、そんな土壌が一宮にはあるんじゃないかなと思います。

 

東京へはいつも電車ですか?

そうですね。JRの上総一ノ宮駅は快速の始発駅なのでだいたい座って行きます。
女房がいる雑司が谷まではJRで新木場まで行って、そこから有楽町線です。広い東京駅を歩くより乗り継ぎが楽ですから。
女房が雑司が谷からここへ来るときも電車なんですが、先日なんか朝の8時半にここへ着いたんですよ。いくらなんでも早すぎるだろうとびっくりしました(笑)。

 

一宮へ移住を考えている方へメッセージをお願いします。

皆さんが移住するときに大事だと考えるのは「そこで何をするか」ということだろうと思います。
私はたまたま「ゴルフをしたい」という気持ちが大きかったわけですが、いざ一宮に来てみると他にもいいところがいっぱいあって、新しく発見することばかりです。例えば海の近くに住みたいだとか、東京から少し離れた田舎に住みたいだとか。本当にきっかけはなんでもいいんだと思います。それをこの町の人たちは受け入れてくれるし、先生として教えてもくれます。皆さんの持っている移住のご希望に一つでも合っているものが一宮にあるなら、住んでみるとそれ以外の良さにもきっとたくさん出会えるだろうと思いますよ。