Published:2012.2.6
お名前:R . Oさん 40代 主婦
ご家族:ご主人・長男14才・次男12才・三男4才
一宮町人:2010年4月~ 先住地:東京都府中市
移住をすることになった経緯は?
都内の社宅に住んでいたのですが、その社宅が無くなるということと、長男が中学校に進級する時期だったので、どこかに家を構えようと考えました。
出来れば海のそばに住みたいと思っていました。特に海で何かをするというわけではないのですが、海岸を歩いたり海を見ているだけで気持ちが落ち着いたり清々しい気持ちになれる、そういう精神的な部分で魅力がありました。また、自然が豊かなところで子育てをしてみたい、という思いがありました。
ご主人は暮らしを楽しんでいますか?
転職したばかりなので、平日は終日仕事、休みも土曜日か日曜日のどちらかだけ・・・というのがほとんどです。
元々、出張が多く、休みの日でも不在がちでしたので、その点では移住前も後も変わりません。
でも今は、週末の休み一日だけだとしても、一宮の方がどっぷりお休みモードに切り替わるので、彼なりのオン/オフという使い方をしているのかなという気もします。
家にいるときは、デッキに椅子を出してボーっとしたり、雑誌を読んだり、庭仕事をしたり、のんびりと過ごしていますね。家の中で寝て過ごすというよりは外でいろいろしていることが多いです。夏には息子と一緒にサーフィンをちょっとやってみたり。
ここは、少し歩けばすぐ海なのでぶらっと散歩するのも楽しいと思います。
帰りたくなる場所と言ってくれているので、彼は彼なりに楽しんでいるようです。
一宮町に決めた理由は?
自然がたくさん残っていつつも、すごく田舎という感じではない「ちょうどいい」感じでしょうか。
若い移住者も多いので、溶け込みやすいイメージがありましたね。
千葉の土地はここが初めてで、しかも見に来てすぐにこの土地に決めたので「そんなに簡単に決めていいの?」と多くの方に言われました。
家を建てるからには普通いろいろな下調べが必要だと思いますが、葉山での土地探しでどういう暮らしがしたいかイメージ出来ていたので、ここなら理想の暮らしが出来ると思えてすぐに決められたのだと思います。
一宮は、海の近くでありながら田園風景があり、山もあります。また大型ショッピングモールのような賑わしい物もない…という点が葉山の印象と重なりました。
また、この土地を紹介して下さった不動産屋さんも近くに住んでいらっしゃるし、設計をお願いすることになった建築家の方も我が家の並びに別荘を建てていらしたので、心強いものがありました。
顔の見える関係というのでしょうか。やっぱり来て良かったなと思います。
子育ての方はいかがですか?
一宮での子育てで一番の魅力は、季節の移り変わりや自然を身近に感じられる、ということだと思います。特に三男とは一緒に過ごす時間も多いので、道端のあの花が咲いたとか芽が出てきたとか、何かいる、声がするとか。夜には星が良く見えるねとか、そういう会話が出来るので、日々の生活の中で何かを感じ取って貰えていればいいなぁと。
こういう環境にいることで自然に子供たちの心が豊かになってくれれば、と思います。
主人も私も横浜に実家があるので、初めは神奈川県の海のそば、湘南の土地を見て回っていました。イメージ的にぴったり合うのが葉山でした。
何年かかけて休みの度に葉山に通ったのですが、葉山は土地にかかる費用が高く、思うほどの広さが望めませんでした。
その一方で、主人は、湘南と並行して秘かに千葉の海近の場所も見ていたようで、「一宮で良さそうな場所があるから見に行ってみない?」「えっ!?一宮ってどこ?」ということで見に来たのがきっかけでした。
はじめて来たのは秋の初めだったのですが、駅から海に向かう道の両側に黄金色の稲穂が一面に広がる田んぼがありました。
その風景をみた瞬間、ここ…気持ちいい!と私は一目惚れしました。
小学校は家から3キロ程で、朝7時過ぎには家を出て1時間近く歩いて通っています。以前は学校まで10分位の距離だったので、引っ越してきた当初はかなり抵抗があったようですが、慣れてくると長い距離歩くことも“当たり前”に変わります。
そして、一宮小学校では高学年になると部活動があります。サッカー部や体操部、金管部などを掛け持ちしていて、季節によって陸上部や水泳部にも加わります。学校で思い切り身体を動かしてくるというのは健康的でとても良いことだと思います。
この部活動と長い距離を歩くことで、以前より逞しくなったように思います。
長男・次男は思春期に転校ということで少し心配もしましたが、学校やお友達は快く受け入れてくれました。一宮の子供たちは、道ですれ違ったら知り合いでなくても挨拶をしてくれたり、親切に声をかけてくれたり温かみを感じます。
高校の受験などもそろそろ考えなければいけないですね?
高校や大学の進学に関しては、移住したことでのマイナス面かもしれません。
全国的にみればこのようなことは当たり前なのでしょうが、都内に比べて学区内の学校数がとても少ない。学区内でも距離があるように感じます。今は学区を超えて進学することは出来るのですが通うのが更に遠くなります。
都内では偏差値が少しずつ違う学校が学区内に幾つもありますが、外房は学区内の偏差値の差がとても大きいです。長男はこの4月から中学3年生ですからそろそろきちんと考えなくてはいけないのですが、選択肢が少ないので苦しい所です。
一宮のよいところは?
外房・九十九里というと海、魚というイメージが強かったのですが、実は一宮は農業が盛んでそれこそ春には田植え、夏には畑にトマトやトウモロコシ、ナス等の夏野菜、秋にはお米の収穫…といった風景を近くで目にすることが出来ます。そして、収穫したばかりの野菜を直売所で買えたり、養鶏所で産みたての玉子が買えたり、都会ではなかなか難しいことも日常にあります。農家の方とも気軽にお話しする機会があると、いろいろな話が聞けてすごく新鮮ですね。勉強になります。
一宮の自然はいかがですか?
春になると、田んぼにはシラサギがたくさん来て、夜にはカエルの声が響き渡たり、川沿いの道にはカニが歩いていたり、当たり前の風景に驚くことが多々あります。
初夏には稲の苗が伸びて緑のじゅうたんが風になびき、また天気が良いと真っ青な空がとても近く感じ、夕日が山に沈んでいく時の美しさ等々、毎日季節を肌で感じ、その風景を見ることができて本当に幸せだと思います。
ものすごい音の雷や大雨、遮るものがない道では何が飛んでくるかもわからない様な強風…といった自然の怖さを感じる時ももちろんありますけれど、それも貴重な体験です。
奥様はどのように過ごしていらっしゃいますか?
一番下の子が保育所に入ったので、最近は自分の時間をとれるようになりましたね。とてもゆったりとした時間を過ごしています。家で好きな事をしてのんびり過ごしたり、こちらに来てから子供の学校を通じて知り合ったお友達とお茶をしたり、一人で車で出かけたり電車で都心に買い物に出たりもします。でも、そろそろ何かしようかな…と、ゆっくり仕事探しをしています。自分から出ていかないと、外からの刺激というのがだんだん無くなってきてしまうので、何かをはじめたいなと思っています。
これから移住をお考えの方に?
車は必需品ですね。はじめは自転車でがんばってもみたのですが、横風が強かったり、行きたい場所まで遠かったりで続きませんでした…。バスは、海側の一部を朝と夕方に運行していますが、日中は走っていません。
そしてインターネットが使えると便利です。私自身まったく土地勘がないまま来てしまったので、インターネットで周辺の情報を調べています。デパートなどが近くには無いので、インターネットを利用した買い物もよくします。今は食料品も衣料品も日用品も、インターネットで買い物が出来る時代だからこそ郊外に住むということに抵抗がない、ということもありますね。一歩踏み出す要素になると思います。
一宮町はこぢんまりしているので、町役場との距離が近く感じられますね。都内では役所も大きいし市長さんには会うこともなかったのですが、一宮は町長さんとお話し出来る日があって、何か要望でもあれば直接聞いてもらえる、とても身近に感じます。
町から借りている防災無線では、防災の連絡のほか、町の情報が毎日流れます。
横浜の実家に帰る時は、アクアラインを使うのですが、今後圏央道と長生グリーンラインも完成すると、かなり近く早く行き来が出来るようになり外房(一宮)へ来てくれる人が多くなるのではないでしょうか。
心配なこと、お困りのことなどは?
子育てや生活での不安点に、夜間の救急病院がないという点があります。
子供は突然熱を出したり、具合が悪くなることがあるので、もしもの場合にも安心して対応できるような医療環境が欲しいですね。