Published:2012.1.30
お名前:小原 千佳さん 40才 飲食店経営
高橋 浩二さん 44才 プロ・ロングボード・サーファー
一宮町人:千佳さんの場合2009年~ 先住地:東京都
一宮町に移住してきた経緯は?
千佳さん:ちゃんと移住して来たのは2009年です。その数年前、仙台からこちらに移住したいと思っていたのですが、仕事が無かったので、とりあえず彼(浩二さん)の東京の実家と一宮に借りていた部屋があったので、東京で仕事をしながら休みの日はこちらにサーフィンをしに来るという、行ったり来たりの状態が続きました。
東京ではIT関係の会社に3年半ほど勤めましたが、田舎で育ったので、東京の生活は合わなくてちょっと大変でした。その点、一宮は自分が育った環境に近い感じでしたので、やはりこちらの方が落ち着くということで、移住して来ました。やっぱり海が好きだし、彼はプロサーファーですから。私自身、ずっと海のそばに住みたいと思っていましたから。
お店を持つまでの経緯は?
千佳さん:海の前でお店をやるのがほんとに長年の夢でした。そのために仙台にいる時も飲食店で働いて修行したりしていました。そのうち彼とつきあいはじめて、東京でOLしながら一宮町に通いだして。元々、彼がこのお店を住居として借りていて、こんなところでお店が出来たらいいな、と少し考えたこともありました。でも、現実的には難しいと思っていたところに、ふとしたきっかけで、回りの人からやってみたらって背中を押されて。いろいろな縁があってお店を開くことになりました。念願だった夢が叶って最高です。
一日の過ごし方はどのような?
千佳さん:朝起きて、お店の準備をして、ランチをやって、休憩に入ります。そして、買い出しに行ったり、お店の内装もまだやっているのでいじったり、夏に向けての準備をしたり。波乗りはその合間に、午後、夕方に入っていることが多いですね。ディナータイムを午後6時からやって通常平日午後10:30で終いなのですが、遅い時間に来る人も多いので午前1時2時になったり。そういうサイクルで、ほとんどお店に時間を費やしてる感じです。忙しいですが、充実した毎日です。
定休日はゆっくり、と思っているのですが、でもやっぱり買い出しに行ったりしてるかな。時々、他所のお店に食べに行って勉強したり。私は趣味でゴスペルをやっているので月に1~2回は東京に行ったりしています。
浩二さん:お店をはじめてからは波乗りの時間は減りましたね。でも、減った分、逆に集中してやったりするから、これはこれでイイかなと思ってます。冬でもサーフィンスクールはやっていますし、なんだかんだ言って年中海に入ってますね。
移住を考えている方に一言
浩二さん:いいところですよ。住んでいる人達がいい感じですよね。いろんな国から集まってて。外国の人がいろんな国を旅して来て、日本中も旅して来て、ここが一番イイって住み着いてる人が結構いるのですよ。その外人さんの中には、東京の外資系とかIT系の仕事をしていたりして、経済的にも時間的にも余裕のある人達も多いですね。
千佳さん:私も移住する前の1年ほどはこちらから東京・新橋の職場に通っていました。快速に乗って一本で、座って1時間半位なので、通える距離でした。
やはりサーファーにとっては住みやすいところだと思います。あとは、いろんな仕事があればもっとみんな移住できると思うのですが。ですから、こんな仕事があるとか、東京へでも通勤できるとか、そういう情報があるといいですね。住みたいと思っている人はいっぱいいると思いますけど、現実問題として働く場所がないとなかなかね。
私は海の目の前で、毎日波を見られるところに住むのが夢だったので、ここはすごく理想的なところです。念願だった生活なので、大変なこともいっぱいありますけど、すごく楽しいです。
もし、こういうローカルスタイルに興味があるのでしたら、移住をする前にも是非見に来てほしい。このお店に遊びに来てもらってもいいし、いろいろ見てもらって、来てもらいたいですね。大変だけど楽しいし、時間がゆっくりしてますね。自然と共にある町なので、生きてる実感がすごくある、そういうライフスタイルに興味のある方は来て体験してみて欲しいですね。
浩二さん:一宮にはサーフィンのために通いはじめて30年近い付き合いです。14才からボードを抱えて電車できたり、東京の実家近くにあったサーフショップの先輩の車に乗せてもらったりして。ここ太東のポイントはロングボード向きのポイントで「ロングボードの聖地」と言われるくらいです。ロングと言ったら太東です。
部屋を借りて住み始めたのが'95年頃からですから、もうかれこれ17年位になりますね。
ここ太東のポイントは、波が小さくても大きくても出来ない日がない。コンスタントに波があって、コンディションがそこそこいい。一宮には死ぬまで住もうかなって思ってますよ。この波がある限り。
町に住んでみた感想は?
千佳さん:お店を通して、こんなに色んな人が、色んな職種で、住んでいるのだなと改めて思いました。結構、子どもを持つ若いご夫婦も多いですよ。移住したばかりで知り合いがいなかった人が、このお店で知り合いになってつながっていったり。サーフィンだけでなく、音楽をやりたくて移住して来た人もいますし。
面白いのが、移住してきた人も元々住んでいる人も、一宮町の人とか、岬町の人、大原の人みたいに、町ごとに誇りや愛着を持っていて、そういうのがいいですね。それで音楽やサーフィンを通してつながったり。みんな意外とその町を盛り上げたい、みんなで町おこしなど、何かできたらなぁといつも考えています。
私が宮城の出身なので、震災の時には皆さんのご厚意で集まった物資をあちらに届けたり。その後も、アーゴプロジェクトさんが部屋を提供してくれたりして、仙台の人をこちらに受け入れたり。海を通して、仙台とここをつないで行きたいなと考えています。
ご商売の方はいかがですか?
千佳さん:夏場はかなりのお客さんで賑わいますが、冬場はほんとに人が少ないので、商売的には大変です。人もいない、車の交通量も少ないし。移住している人も多いのですが、東京の方から通ってる人が多かったのだなと改めて気付きましたね。サーファーの中には、部屋としてシェアして借りている人って多いですね。でも、やっぱり寒いから東京からそうそう来ないですよ。
それに南の方の御宿の方が風向きが良くなるし暖かいので、冬はあちらに行く人が多いですね。波がいいとこちらにも来るのですが。
他にやりたいことは?
千佳さん:時間が足りない感じです。1日30時間くらい欲しいですね。もっと時間があれば、やっぱり海に入って。他には、いろいろなところに行くのが好きなのでドライブしたり、山に行ったり。店にいることが多いので、この地域もまだ見ていないし、こっちの山はどうなっているのだろうとか、もっと散策したりもしたいですね。せっかく越してきたので。もう2年住んでますけどほとんど知らないのですよ。
*海の見えるBeach Bar& Restaurant 波音
平日 ランチ11:00~14:30 夜17:00~22:30 土日祝 11:00~24:00(日曜夜~21:00) 定休日:木曜日 *営業時間は予告なしに変更する場合があります。
TEL:090-8423-7784(オバラ)一宮町東浪見4-1-2F http://www.taito-namioto.com/