ブックタイトルICHINOMIYA Clip【一宮クリップ】vol.04
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千葉県長生郡一宮町に定住・移住したい方々を支援する情報です
嘴が長いということはより深いところのエサも採れる。可動領域が広くなるはずですけれどハマシギは激減してます。ミユビは砂浜を主なエサ場として干潟を補足的に使う。ところがハマシギは干潟を主なエサ場にし、かつ後背湿地をエサ場に使うのですがこの後背湿地が全部埋め立てで無くなってしまいました。そのためハマシギの数はもう10分の1位に減ってます。もう少し大きくとらえると、この一宮の海と川にすむ生き物のうち、国や県で絶滅が危惧される生き物として指定されているものが約200種います。海だけにしぼると100種類ほどいるのです。この数字をどう評価するか。一つは、環境の悪化で絶滅が心配される種がそんなにも増えてしまったのかというとらえ方と、もう一つは、そんなに貴重な生き物がまだこんなに多くいてこの地域は自然が残っていてすばらしい、という見方の両方があるでしょう。僕自身はプラス思考で、もちろん守らなければいけない環境面でのいろいろはあるにしても、まだ大丈夫という考え方の方をとりたいですね。観察は今も続けているのですか?ウミガメの観察はPTAのお母さん達ががんばって後を引き継いでくれてますし、ミユビシギを含めて鳥の観察をする人も出てきました。その分、僕はあまり出ないですむようになって、朝起きると家のベランダに備え付けの双眼鏡で、一宮川の中州の鳥を観察して、種類と数と行動を記録してます。、いろいろな生き物にめぐり会えるのですから。自然の観察は5年10年位じゃだめですね。ずっと長いこと続けないと。ただ、1日1日はほんのわずかな時間を割くだけでいいのです。それが10年とか20年続くととても貴重なデータ資料になります。ありきたりですが「継続は力なり」です。やはり10年~20年続けると仕組みが分かってくる。継続して見るとそれぞれの年で違うんですよ。だからある年だけに注目すると本当の姿が見えない。継続したデータから枝葉を取って見るとやっとその本来の姿が見えてくる。短期間の集中的な研究では分からないことがいっぱい分かってきますからね。最近は講演活動やアーティストとしての作品作り、近所の子ども達のお相手などに忙しいようですが?僕の講演の特徴は、講演者がしゃべらないで「参加者に探してもらったり、作ってもらったり、しゃべってもらう」というワークショップのような形です。聞いているだけでなく、自分でやってみると興味や疑問がわいてくるでしょう。貝殻を採りに行くところから始まったり、パネルや問題集を人数分用意したり、準備が大変なうえ時間もお金もかかりますけどね。この町の魅力は?自然の要素が全部そろっているところ。海と川、その間の干潟、山、そして首都圏から近いこと。これは極めて理想的な条件だと思いますよ。趣味にしてもなんにしても色々なことができるというのはいいことじゃないですか。選択の幅が広い。山で陶芸したいとか、海の絵を描きたいとか、海の生き物や森の生き物に興味があるとか、川遊びとかカヌーをやりたいとか、メニューがすごく多いと思いますよ。それと歴史・文化というのでしょうか。近代の芥川龍之介や久米正雄、与謝野鉄幹・晶子、一宮の文学歴史めぐりみたいなそういう魅力もあるかもしれないですね。それに芥川龍之介の『海のほとり』に出てくる海浜植物のハマギクやコウボウムギ、その他にはケカモノハシなどを大切にして、再生していく。それがひいてはアカウミガメの産卵場所の保護にもつながっていったりすると最高なのですがね。最近では僕の妻も犬の散歩を兼ねて鳥の観察をするようになりました。僕がやっていた影響も少なからずあるだろうけど、思っていた以上にはまって毎日いろいろな写真を撮ってきますよ。「今日はタゲリが来たよ」とか「こんなワンちゃんに会ったよ」とか。せっかくこんなにいいところに住んでいるのだから家でテレビ見てるなんてもったいないじゃないですか。外を歩いた方がいろいろな人に出会えるしそのパネルや資料を作っていてアートの方にのめり込んで行ったのです。一人でちょこちょこ作っていたら、いつの間にか近所の子ども達が遊びに来るようになりました。いろいろなものを吸収して、好奇心が強く、なんにでも素直に興味を持って、そういう子ども達に沢山夢を与えたいですね。子どもは”未来”ですからいくら大事にしてもしすぎることはありません。と、かっこよく言いましたが、本当は僕が子ども達に遊んでもらっているだけなのですがね。移住をお考えの方にひとこと自然が豊かでそこで暮らしたり遊ぶのは楽しいですが、その反面、自然もご機嫌が悪い時もあります。そんなに人間の都合のいいようには自然というのは出来てない。自然にはリスクや危険があることもある程度覚悟して分かった上で来てほしいですね。でないと来てみて「そんなはずじゃなかった」ということになっちゃいますからね。