ブックタイトルICHINOMIYA Clip【一宮クリップ】vol.04
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千葉県長生郡一宮町に定住・移住したい方々を支援する情報です
一宮自体も移住者の方が多いので私たちの作る野菜に関心をもっていただける方も多いんじゃないかとも感じました。実際、こちらに来てからはとても栽培しやすくなったし、お客様の数もだいぶ伸びたんですよ。それにこの家は、実は主人のお母さんの実家だったんです。私たちが暖かい土地を探し始めた際に、それまでこの家に住んでいらした親戚の方が偶然にも引越をすることになりまして。私たちは引っ越して新しく農業を始められるなら次はアパート暮らしでもしょうがないと思っていたんですが、ここは昔農家だった家で、納屋もあるし最高の条件でした。栃木で土砂崩れが起きたのが2013年の9月で、その年末には引っ越してきたのでほんとにバタバタという感じです。一宮への移住は、最初は栃木での台風という良くないことから始まりましたが、移住してみたら結局はいいことばかりだったので、不思議な縁を感じています。住む場所としての一宮の環境は?農業体験などでやってくる方はやっぱり都会に住んでいる方が多いですよね。そういう方でも働く場所として入りやすいような、ちょうどいい田舎加減が一宮にはあります。農業や田舎暮らしにあこがれている方は、本当にすごい田舎だと少し躊躇する部分があるんですけれど、そんなに身構えずに飛び込めて、田舎暮らしのいいところだけ満喫できるような雰囲気ですかね。海もあるし山もあるし、ゆったり過ごすにはとってもおすすめですね。田舎過ぎて不便が勝ってしまうこともないですから、自由な気持ちも感じながら喧噪を離れて暮らせる場所だと思います。栃木では1日泥だらけになって働いて、家に帰ったら寝るだけという感じで、それはそれで山の暮らしを満喫していたんですが、一宮に来てからはもっと自由な田舎暮らしを楽しんでいます。逆に不便に感じることはほとんどないんです。私たちがもっと厳しい環境から越してきたからかも知れませんが、スーパーも役場も駅も近いところにあるし、隣のいすみ市に行けば子どもの病院もあるしで、とても便利だなと感じています。一宮の子育て環境はいかがですか?引越をしたとき草太郎は8か月くらいでしたが、移住してみて改めてこの土地の暮らしやすさと子育てのしやすさを感じています。保育園も11か月の頃にはスムーズに入れてもらうことができてホッとしました。他の町ではなかなか保育園に入れないお子さんがいると聞きますが、一宮町の方針で、保育園が必要な家庭にはできるだけ受け入れられるように取り計らっていただけたんです。子どもは自分で面倒見たいと思っていたので、本当は保育園に入れるのはためらっていた部分もあったんですが、仕事を続けていくにはしょうがないかと思って入れてみたら、先生はとっても優しいし、今は子育てについて何にも心配がないといってもいいくらいです。自然がいっぱいだし環境もすごくいいですよね。栃木も子どもが生まれるとご近所の方がみんな集まって、1年に3回もお祝いをしてくれるような、人の気持ちがとても温かい町だったので私は大好きでした。比べてみるとこちらは風通しがいい感じがしますね。町の方は元気で、言葉も歯切れがいいというか。あと海が好きで移住してきた方にはなんだか華やかな印象がありますね。全体的にラテンっぽいというか。その土地土地に良さがあるものなんだなって感じました。有機栽培をするにあたって土壌の質はいかがですか?初めはとてもビックリしました。自分が今まで知っていた土とは全然違ったんです。気候が暖かい千葉に来たことで、栽培にとっては良くなることばかりだなと思っていたんですが、一年目は大失敗してしまいました。海が近いからか、ほとんど砂のようなサラサラの土壌で、水はけが良すぎたんですね。それで肥料もその場に留まらずにどんどん抜けてしまって。土地が肥えていなかったので作物が全く大きくなってくれませんでした。乾燥によって土の温度も上がってしまって、夏の作物があんなに萎れるのを見たのは初めてでした。それで栃木でやってきた方法をここでそのまま適用しようとしたのが間違いだったと気づきました。いったん計画を全部やりなおして、この土地に合った方法を検討してみたんです。具体的には、温暖な千葉は栃木よりも早く暖かい時期を迎えるので、苗を植える時期を前倒ししたりですね。すると今年はバッチリうまくいきました。他には夏など無理な時期に種を播かないとか、どうしても播く必要があるときは遮光ネットをかけるとか、やっぱりその土地土地に合った農業のやり方をすればうまく行くんだと思い知らされましたね。他に有機栽培のお仲間はいらっしゃるんですか?つい最近、同じ一宮で有機栽培をしている農家さんと集まって、情報交換をしていこうというところです。それと今、一宮の自宅から通いで研修生として入っていただいている女性も卒業したらこの町で有機農家として独立して就農することになっていて、彼女ともこの地域で有機栽培のコミュニティを作っていこうと話しています。同じ地域で同じような農法をしている仲間が増えれば、この土地に合っている品種を見つけたり、新しい作物でも種の播き頃を探したりと、きっといろんな意味でお互いに切磋琢磨しながら向上できるんじゃないかなと考えているんです。