ブックタイトルICHINOMIYA Clip【一宮クリップ】vol.02
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千葉県長生郡一宮町に定住・移住したい方々を支援する情報です
こちらでの生活はいかがですか?戸張さん:愛おしいですね。こうして日々身近に土や水に触れていると、その掛け替えのなさをとても感じます。自分が住む場所や地域についても同じことが言えると思いますが、そういった思いが活動を後押ししてくれているのでしょうね。自然や地域の事を学ぶのも楽しくて、先輩にも恵まれ新しい友達もたくさんできましたよ。増田さん:住めば住むほど好きになる町という感じでしょうか。じつは私も主人もここへ来るまでは、一宮がサーフィンのメッカだと知りませんでした。でも主人は周りに感化されて遅咲きのサーファーをやっています(笑)。なんだか、ものすごくハマっているみたいです。私はもうすっかりこの町の自然に身体が馴染んでいますね。先日、久しぶりに都内に出る用事があったのですがとても疲れました。ああ、人ごみってこんなにも私を疲れさせるんだなって。一宮を離れてわかるありがたさ、といった感じですね。吉田さん:自然と共にある暮らしには心癒されます。たとえば、この間、停電があって家の外も中も真っ暗に。すると煌々とした月明かりの美しさが目に飛び込んできて大感激。「月ってこんなにきれいだったんだ」って。夜に停電があったら本来は相当不安なはずなのに、心は至って平静。むしろその場を楽しむ余裕すらあったなんて不思議でしょう。このまま復旧しないのなら「寝ちゃえばいいか、朝が来たらなんとかなるでしょう」って、夫と2人あっけらかんとしていました。都会での暮らしではとてもこうはいきませんよね。一宮に移住されたきっかけは?戸張さん:一宮の環境に惹かれた親が20年以上前に引っ越してきていたので、ちょくちょく遊びに来ていましたが、自然いっぱいで空気も食べ物もおいしくて感激したものです。そのうち親も高齢になってきて、私も年齢とともに自然豊かな生活のほうが自分に合っていると思い移ってきました。伝統的なお祭りや盛大な花火大会など、この地ならではのエネルギッシュな行事があるのも魅力的でした。増田さん:ずっと以前から田舎暮らしに憧れていたんですね。で、主人に相談したら「いいよ」ってことになって。いろいろ検討したら、2人が好きな海が近くにあって、最寄のJR上総一ノ宮は快速の始発駅ということもあり、主人の通勤問題もこれでクリア。で、ここに決めました。長女がちょうど小学校1年生に上がるときだったのでそういう意味でもよいタイミングでした。吉田さん:夫の実家が千葉にあるので、いずれは県内のどこかに居を移す予定でした。できれば海あり山ありの土地がいいね、というのが2人の共通した意見でした。私はといえば、家庭菜園がしたかったので野菜がつくれるだけのスペースはほしいなと。こんな条件に見合った土地を探していたのですが、夫は勤めがあるので通勤圏内でないとダメということで、いろいろ検討した結果、一宮に決まりました。勝浦や鴨川あたりも候補でしたが、通勤ということを考えるとやはり厳しかったですね。その点、上総一ノ宮から特急を使えば東京まで約1時間、快速の始発駅でもあるので座って行けるということが決め手になりました。クラブに参加するきっかけは?戸張さん:ここへ移り住んできた9 9年頃、地元の会員の方にホタルを観に連れて行ってもらったのがきっかけですね。自然に生息しているホタルを間近で観るのは初めてだったので新鮮な感動を覚えました。増田さん:ずっと以前に鴨川の大山千枚田で稲作を体験したことがあって、それを伝え聞いた知人が一宮にも米作りに取り組んでいるグループがあると紹介してくれました。最初は子どもが小さかったり、下の子が生まれたりしてブランクが続いたこともあったのですが、せめて皆のお手伝いくらいはと、折を見ては参加させていただいていました。吉田さん:一宮に移住しようと購入した土地の周囲を夫と散策していた時のこと、田んぼの近くの遊歩道を歩いていたら、大勢の人が広場のような場所で楽しそうに何かしていたんですね。それが一宮ネイチャークラブの皆さんだったんです。運良く、当時の会長さんともお話ができて「移住するならぜひメンバーになってくださいよ」と誘っていただきました。クラブの活動を通じて何かご自身に変化は?戸張さん:自分のイノチを支える食べ物を、自分たちの手でつくることができる──米づくり体験を通じてそれに気づかされたことは大きいですね。こちらに来るまでは便利な都会暮らしをしていましたが、どこか言い知れない不安を抱えていたのも事実。それは今思うと、食べ物をすべて他人や社会に依存する生き方はアブナイですよと、身体は解っていた(笑)。自然と共にある一宮の生活は大きな安心感と自信を与えてくれましたね。増田さん:田んぼに立ってみて気づいたのは「風が気持ちいいな」ということ。友人も「それ、わかる!」ってお互いが共感できたのがまず嬉しかったですね。それと、子どもたちが積極的に参加するようになりました。最初はただ私についてくるだけだったのが、今ではみんなこの田んぼに来るのが好きみたいです。いちばんの変化といえば、私自身に子どもたちから目を離していられる時間ができたということ。周りには大人も子どももいますし、頼りになる先輩方もいらして子どもの相手をしてくれたり、声をかけてくださいます。可愛がってくれるんですね。それが子どもたちもうれしいみたいで。自然との触れ合いだけでなく、人との触れ合いもある、それが一宮ネイチャークラブのいいところですね。