ブックタイトルICHINOMIYA Clip【一宮クリップ】vol.01

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概要

千葉県長生郡一宮町に定住・移住したい方々を支援する情報です

家内も最初やる気満々だったのだけれどやってみると「向いてない、農家に嫁に来たわけではない!」と。その代わり外で働いて現金を稼いでくるからということになり。少ないですけど家内の現金収入があるので助かります。今のところ農業だけじゃ食っていけないですからね。少なくとも僕のやり方では。もうちょっと大きくやるとか、専門的にやるとか、もっと熱心にやるとか。実際、ガソリン代や車検代、肥料や種を買うとか経費の部分がやっと面倒みられるくらいです。金銭的な面から言えば、あのまま横浜のマンションで何もしないでいた方が一番よかったというのが分かりました(笑)。あるいは、その辺りでアルバイトした方がよっぽど儲かります。しかしロマンのある仕事というか。食べ物を作っているというのはすごく安心感がある仕事ですよ。とてつもなく高いオモチャを買ってしまったようなものなので死ぬまでこれで遊ぶということかな(笑)。楽しめてますね、仲間にも恵まれたし。良かったですよ。直売所もやられていますが?直売所「菜鮮箱」*をはじめて7年程になります。いずれ直売所を自分でやろうと思っていたところ、たまたま建物の部材をいただいて。いろいろ買い足したり、近所の人に手伝ってもらってかなり安く建てることができました。他所の直売所に出荷するのは面倒なのですよね。無くなったら届けなくてはいけない、終ったら回収にいかなければいけない。自分でやっていれば、何が求められているか分かるし。ったくその通りなのですよ。ですから今はちょっとそれに近いことに、といっても味噌とか落花生を煎ったものとかまだその程度ですが。お客さんは少しずつですが増えてますよ。この直売所が出来てから毎年伸びてます。お店をやってると「こういうのを置かしてくれ」と持ってくる人も多くなってきて。何もしないけど口コミで少しずつ増えています。午前中は農作業して、午後は店番しながらなので時間が制約されるのが大変です。どうしても手が回らなくなる時もあるけど、無農薬栽培している農家の人が野菜を持ってきてくれるので助かります。全てが無農薬ではないのですが、誰が作ったものか分かるようにして無農薬か否かはちゃんと書いてあります。無農薬栽培はご苦労も多いのでは?無農薬は大変です。虫との戦いですからね。ウチの野菜を食べてるうちに虫に慣れたという人もいるし、あまりにも立派な虫が出てきたので飼ってます、という人もいるし(^_^;)。米でもなんでも半分位しか穫れない。半分の出来で2倍で売れればいいのですが、2倍というのはなかなか付けられる値段じゃない。普通に買うよりは少し高いのだけれど、無農薬にしては安いという値段に。ウチの玉子は平飼の有精卵という飼い方をやっています。雄鳥は沢山ご飯を食べるので餌代もかかるし、普通に玉子を獲るだけなら雄鳥はいらないわけですが、そこに命としての完全性が担保されるわけですね。そういうものを目指したいのです。地元の方とのおつきあいは?夕方になると近所の農家仲間と飲みに行っちゃう。サラリーマン時代からの癖だね地元の昔からの農家とも知り合いになれたし、いろいろ教わってやってます。助けてもらったり、機械を貸してもらったり。ここに来て住んでいるだけだったら友達作るのも大変だったろうけれど農業をやってるとつながりがあって、知り合いは作りやすいし、助けてくれるからありがたいですよね。周囲の人にほんとに世話になってますね。僕みたいに素人だと機械がちょっと不調になったりすると、もうどうしていいか分からないからね。そういう時に先輩農家に言うと飛んできてくれるからね。農業機械も知り合いが要らなくなった古いものを持ってきてくれるから少しずつ良いものが揃ってきてますよ。新規就農については?若い人の新規就農は支援がないと出来ないでしょう。子どもを育てながらとかいうと相当大変です。国がもっと農業について真剣に考えて、例えば、遊休農地を国が買い取って新規就農者には無償で5年間貸すとか。農地を買ったり借りたりというのは大変ですからね。もし一宮町が行政の柱の一つとして取り組むのであれば、そういうグループを作ればいい。機械などを共有してやれるような仕組みを作ってやれれば入ってきやすくなると思うのですが。ここへ来た時に農家の人が「これからは作るだけじゃだめだよ。加工して自分で売るんだ」と。その1次・2次・3次産業を全部一人でやる6次産業でなければこれからやっていけないよって話していて。素材を作っているだけではなくて、やはり付加価値をつけないと値段もつけられない、ということではま無農薬栽培でやっていることには確かに支持してくれる人は多いです。でも、人数は絶対的に少ない。無農薬栽培であることが強みなのだけど強みにまだなりきっていない。もうちょっとお客さんを広げないといけないですね。実際、東京から来たお客さんはごっそり買って行きますからね。